microSDカードって結構壊れやすいんですよね。最近だと64GBのmicroSDカードも発売されてきていて大容量で便利になっているんですが壊れてしまっては意味がない。
僕もカメラに挿していたmicroSDカードが破損しました。
中のデータを復元するために色々調べ試しましたが、どうやら業者に頼むしか救出できる見込みがないようで、実際に業者にデータ復旧を見積り依頼をしてみたんですがその額はなんと30万円・・・。
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microSDの破損状況
まず、僕のmicroSDが破損した状況ですが、旅行中にカメラで撮影していたところ、急にメモリーカードの読み込みがうまくいかなくなりました。
読み込み中の状態がずっと続き、全くカメラが反応しなくなったため、バッテリーを外して電源を落とし、microSDも抜く。
そして、もう一度挿してカメラを起動してみるとSDカードが全く認識されなくなってしまっていました。
破損したmicroSDをパソコンに挿してもWindowsの[マイコンピュータ]にSDのアイコンが表示されず、認識されないという状況。
小型化・大容量化している一方で、トレードオフ的に壊れやすくなっているメモリーカード。分かっていたもののこんなに簡単に壊れてしまうとは思ってもいなかったです・・・。
復元したいデータ
約30GB分の写真が保存されていました。その内、バックアップできていなかった約2,000枚の写真をどうしても取り出したい。
トルコのカッパドキアのウフララ渓谷の写真、パムッカレの街並みや石灰棚の写真、そして何より現地の人々との写真とそこで知り合った旅行者との写真は二度と撮れないものなので絶対に救出したい。
フリーソフトでのデータ復元
まず、試したのがフリーソフトによる復旧・復元作業。
下記の復旧ソフトウェア Zero Assumption Recovery (ZAR)で復元させる方法を試しましたが、全くSDカードが認識されず、復元作業が進まみませんでした。
この復旧ソフトウェア[Zero Assumption Recovery]を使用して復旧できるのは、誤ってデータを消してしまった場合やメモリーカードの論理障害の場合だけ。
つまり、SDカード等がカメラやパソコン上で認識できている場合だけのようです。
メモリーカードが割れたり、ひびが入ったりする物理障害や今回の僕のように外見上は問題なくてもSDカード内部に物理障害が発生している場合はそもそもパソコンでSDカードが認識されないため、このソフトウェアでの復元は不可。
業者での復元
フリーソフトでの復旧がどうやら不可能と分かり、業者にデータ復元を依頼。
- 1社目(大阪にある業者)
故障したmicroSDを送付して診断してもらいました。 診断内容は下記。
・入念なチェックを実施しましたが、お預かりしたカードからは電気的に正常な応答を得ることができず、内部基板やコントローラ等に重度の物理破損が発生していると考えられる状態であり、救出作業を断念致しました。
⇒めげずに他店をあたる
- 2社目(秋葉原にある業者)
こちらも破損したmicroSDを送付して診断してもらいました。 一体型のmicroSDカードのため復旧作業不可、との電話。 ⇒SDカードにはPCBタイプと一体型のメモリーチップがあるらしく、私のSDカードは一体型らしい。 簡単に構造の違いを説明すると、こんな感じ。
- PCBタイプ:コントローラー部分とメモリー部分が分離している
- 一体型 :コントローラーとメモリーが一体となっている
一体型はメモリー部分だけを取り外して復元作業をする事ができないため、一体型の分析作業は困難を極めるため、PCBタイプに比べ費用と時間がかかるらしいです。
その作業の複雑さが故、一体型ICチップの物理障害を取り扱える復旧業者は片手で数える程しかないようです。 また、一体型のSDの復旧を扱っているが、一体型のmicroSDは扱っていない業者もいるようです。 (参考:http://www.livedata.jp/sd/)
- 3社目(池袋にある業者)
数少ない一体型メモリーチップの復旧を行っている業者に問合せてみました。 下記が診断内容です。
・損傷区分 : 物理損傷が考えられます。 ・所要時間 : 約10日 ・復旧成功時のサービス料金:費用は高額になってしまいます。 一体型ICチップは、症状や中のチップによりますが、復旧成功時の費用は320,000円(税別)が目安となります。(媒体本体の容量×10,000円)
費用は約30万円!!
さすがにこれには手が出せない。数万円くらいなら払う覚悟してましたがこれは無理。 30万円あればトルコ旅行にあと2回くらい行けちゃいますからね。。。
- 4社目(池袋にある業者2)
一体型を安く対応できる業者を探して問合せした結果が以下。
MicroSD 32GB 物理障害の場合:189,000円 所用日数 :約2~7日程度 ※復旧不可の場合は費用はいただいておりません。
⇒約20万円。3社目の業者よりも約10万円程安いものの、まだまだ高額。 そして下記のコメントもついてきました。
復旧作業におきまして、他社からも案内があったかと存じますが、MicroSDはメモリーと基板が一体タイプのため、物理的に損傷した場合の復旧は非常に難しいメディアです。 MicroSDカードが認識できない場合に、作業内容と致しましてはメディア内部の端子にワイヤーを接続してダンプイメージを取得後、データの組立を行いデータを復旧させる作業となります。 本体全体がメモリーとなっているので、本体内部回路の損傷や本体自体に亀裂、 割れ等の損傷がある場合は復旧ができません。
⇒どうやら一体型の復旧は作業が複雑で、成功率も低いらしい・・・。
復元を断念
他の業者についても調べましたがこれ以上安く対応できるところがなく、さすがに20万円は払えないので諦めました。。。 復旧費用がこれほどまでに高額になってしまうのは次の事が要因のようです。
- 一体型の復旧が複雑な作業を要すること
- 扱える業者が少なく価格競争があまり働いていないこと
- 復旧させるメモリーカードの容量で金額が決まるため32GBの復旧は1番高い価格帯であること
復旧させる手段はあるのに手が出ず、とても悔しいですね・・・。
メモリーカードの破損に関して気をつけておく事
今回、microSDカードが壊れてデータ復元に色々もがいてみて、直る可能性はあるものの難しい復元の場合は高額な費用がかかってしまう事がわかりました。
メモリーカードが壊れた時に悔しい思いをしないために、筆者が感じた気をつけた方が良いことは以下です。
- できるだけ小まめにバックアップをとること
言わずもがなですが、できるだけ小まめにバックアップする。 旅行などではノートパソコン等を持って行くと荷物が重くなってしまいますが、大切な写真のためには仕方がない。パソコンのHDDかDropboxなどを使いクラウドに保存しましょう。
- 32GBよりも容量が小さいSDカードを使うこと
業者の人に言われたのですが、32GBで同様の不良モードのカードが多数寄せられているらしく、メーカーに関わらず32GB品について品質が安定していないそうです。
Amazonだと安く買えてしまうのでついつい容量が大きい32GBを選んでしまいますが、品質を重視して16GBや8GBを選んだ方が良さそうです。 また、容量が小さい方が、万が一破損しても復旧費用が安くなります。
- microSDではなく、SDを使うこと
microSDは本体の大きさが小さい分、復元が難しいようです。そのため、扱える業者も少なく、費用が高額です。 SDは大きいため、扱える業者も多くなります。
そう何度も起きることではないと思いますが、一回でも起きてしまうととても悲しい状況になってしまいかねませんので皆さんもご注意ください。
どうしても諦らめられない場合
僕は諦らめてしまいましたが一度業者に相談してみてください。
ショーン・コネリーからもデータ復活を依頼された事のあるという実績のある会社を一つご紹介しておきます。
→ ピーシーキッド
以上、破損したmicroSDカードのデータ復元はめっちゃ高いよっていう話でした:^)
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